デッキライト

1年ほど前、夕方、近所をウォーキングしていたら、どこかで見たような玄関の外灯が気になりました。それは、オレンジ色の光を放っていて、いつの間にか、ウォーキングの目印になりました。雨の日以外は、その外灯に励まされながら、ウォーキングを続けるようになりました。ほんの数日前、日曜日の昼間にその家の前を通ると、庭でお花の手入れをしている奥様を見かけ、思い切って声を掛けました。その外灯は、なんと、船の外部甲板のデッキライトだそうです。

そうだったのです。私が懐かしく思ったのは、もう、何十年も前、小学生の高学年のころ、家族で九州旅行をした時の記憶があったからです。私たち家族は、長崎、天草、熊本、阿蘇、竹田、臼杵、別府を自家用車で回りました。別府からフェリーで帰ろうとしていたところ、濃霧で、欠航してしまいました。足止めをくった私たちは、もう1日、別府で過ごし、次の日、1便だけでたフェリーに乗り込みました。その日もかなりの濃霧で、海は霧を覆われ、水面も見えませんでした。その濃霧の中に、ぼんやりと甲板を照らしていたのが、このオレンジ色のデッキライトでした。御主人が、マリーンリサイクルの店で、購入されたものだそうです。御主人は、大学時代にヨット部で活躍されたそうで、懐かしくて、外灯にされたそうです。

人間の記憶とは、面白いもので、心細いとか、不安な感情とセットになって、そのデッキライトのオレンジ色の光を何十年間も記憶していたのです。海という大自然の中、ぼんやりと照らされた人間と言う存在の小さくて、それでも懸命なさまが今も心に残っています。何とも、ロマンのある外灯です。

This entry was posted on 土曜日, 6月 23rd, 2012 at 12:22 PM and is filed under 住宅. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

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